

日本では母体保護法という法律によって、人工中絶を行える週数が決まっています。
またどこの産婦人科でも中絶手術を行えるわけではなく、母体保護法指定の資格をもった医師しか手術を行うことができません。
先ほども述べたように手術を行える時期は決まっており、妊娠22週未満と定められています。
それを過ぎてしまうと倫理的な問題や母体にかかるリスクから中絶手術は認められていませんから、注意が必要です。
妊娠11週6日までは初期中絶で、吸引法や掻把法を行います。
初期は比較的体への負担も少なく、入院の必要はありません。
一方妊娠12週を超えると中期中絶となり、人工的に陣痛を引き起こして死産させる必要があるため、母体への負担だけではなく精神的な負担の大きいのが特徴です。
また3日程度の入院も必要ですし、通常の出産と同じ痛みもあります。
妊娠中はホルモンバランスが大きく変わっていますから、術後の体調を戻すまでにはある程度の時間がかかります。
中にはPTSDになり日常生活に支障をきたす場合もありますから、早い時期に自分にとってよい選択をすることが大事です。
受診を先送りして中期中絶手術を受けることになった場合、心身や経済的な負担も大きくなりますから、出産を希望しないのであればできるだけ早く医師に相談するようにしましょう。
妊娠5~6週でも手術は可能ですが、子宮や頸管の大きさによっては妊娠6~9週が最も望ましいといえるでしょう。